2024年4月14日日曜日

ココロの言葉(331) 私たちの世界はますますデジタル化され、非人格化されているが、 人間関係を築き、信頼と親密な結びつきを確立し、 他者を理解し、共感をもって関わっていくためには、 顔と顔を合わせた交流が非常に重要であることに変わりはない。 ジョー・ナヴァロ(元FBI捜査官) 米国の国際的諜報機関であるFBIの捜査官は、だれかに伝え、それを受け取る情報のほとんどは、ノンバーバルな「しぐさ」であるという。実際に、ヒトのコミュニケーションのほとんどはバーバルな言葉によるものではなく、表情や声や姿勢などノンバーバル(非言語)であることが、さまざまな研究から実証されています。『FBI捜査官が教える「しぐさ」の実践解読辞典』から。

2024年4月7日日曜日

ココロの言葉(330) 人間はね、赤ん坊から「喜怒哀楽」の順番に感情を覚えていくんだけれど、 年を取ったり精神を病んだりすると、 「喜怒哀楽」の「楽」から順番と感情を失っていくものなんだ。 精神科医 中井久夫 長年にわたってこころの治療と回復に携わってきた精神科医の人間と人生の省察の言葉です。私たちの日々の喜び、怒り、哀しみの感情が自然な感情であり、そこから楽しみが生まれてくると語っています。『中井久夫との対話―生命、こころ、世界』から。

2024年3月31日日曜日

ココロの言葉(329) 我々がこだわるのは、世界のほんの一隅でもよいから、 実事業をもって、巨大な虚構に挑戦する良心の健在を示すことである。 万の偽りも一つの真実に敗れる。 それが次世代への本当の遺産となることを信じている。 医師 中村哲(1946-2019) アフガニスタンへの支援をしてきたペシャワール会創設者の言葉です。中村氏の活動を映画にした「荒野に希望の灯をともす」を鑑賞した女子高校生が実直な感想を述べています。 「信頼できない大人ばかりを見てきたけど、こんな信頼できる大人もいたんですね」と。 『中村哲という希望』から。

2024年3月24日日曜日

ココロの言葉(328) 思春期問題とみなされる事象の大半は、 当事者の未熟以上に、 当事者がおかれている学校や家庭といった 特異な環境に起因すると考えられる。 精神科医 斎藤環 ひきこもりなどの現代社会の臨床問題を研究している筑波大教授の斎藤氏は、いまや従来の思春期・青年期というカテゴライズは意味を失いつつあるという。生理学的な個人の発達要因よりも、その子どもがおかれた環境要因の方が大きな影響を与え、問題の起因となっていると。『こころの科学』217号から。

2024年3月17日日曜日

ココロの言葉(327) 支援は一方的ではない。 「支援者」などと偉そうな立場の私たちは、 実はいろんな形で利用者や相談者に助けてもらっている。 人は存在するだけで双方向に作用するものだ。 小林美恵子(つくろい東京ファンド) 路上生活などで支援を受けた人たちの居場所と就労の場「カフェ潮の路」を運営しているコーディネーターの言葉です。建前ではない「いのち」「人権」が尊重される社会の実現を生活困窮者支援の現場から訴えています。『家なき人のとなりで見る社会』から。

2024年3月10日日曜日

ココロの言葉(326) 人間は、いつも周りにいる5人の平均をとったような人になる。 ジム・ローム(米国の起業家) 周囲の環境、特に人物は、学習効果に大きく影響します。学習する人のそばにモデルとなるような人がいることが、学習意欲の維持と向上に役立ちます。学習支援する人の学びへの姿勢自体が、学習者への心理的な支援になるということです。

2024年3月3日日曜日

ココロの言葉(325) 私は学習の参加で教えたりなどはしない。 存分に学べるように環境を整えるだけです。 アルバート・アインシュタイン(1879-1955) 20世紀の天才物理学者の「学び」についての卓見です。学びとは、誰かから教わることではなく、自分が関心のあることを自主的に探究していくことであり、そのための環境調整が教育支援をする者の本来の役割であると。